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 先月の『コメ先物、2年後には本上場か廃棄か』というブログ記事に「コメ農家に安心と経営の安定をもたらす為に、先物市場以外に自民党は何を考えているというのでしょうか」と書きましたが、その答えのように読める記事を見つけました。
 商経アドバイス(9/9)紙の1面トップ『飼料米・米粉米3年契約~農水省、交付金で安定生産誘導』という見出しの記事です。
 飼料米や米粉米を3年契約するなどして、コメ生産者が配合飼料会社等へ安定供給することが安定生産につながるとして、その方向へ誘導すべく農業関連予算を組んでいるというものです。
 農水省の令和2年度概算要求の記事にも、「引き続き飼料用米に力を注ぐ姿勢を示している」と書かれていました。飼料米の安定供給が、「コメ先物」程に価格の安定に資するとは思えないのですが如何でしょうか。
 価格が下落したら一定割合を補填するというこれまでのやり方のままなら、買い手市場になるばかりで生産者はジリ貧に追い込まれはしないでしょうか。
 また記事によると、春先に出来秋の米価で契約するという「コメ先物」のやり方に近い「備蓄米」についても、自民党農林幹部の「複数年契約による契約栽培的な仕組みを検討すべき」という発言が農水省に伝えられたそうです。
 春には出来秋の米価が、そして収穫の秋にはその後の米価が上がるのか下がるのかというコメ農家の不安を更に煽るような、そんな無神経な発言だと私には思えました。
 何よりまずは、価格の安定だと思います。主食ですから。生産者にとっても消費者にとっても。
 記事にもあった米粉用米の伸び悩み等は、それが需要側にも供給側にも相当の補助をしないとペイできないような制度米だからであって、まさに価格がネックになっているのです。
 何だかコメ政策の優先順位がねじ曲げられているように思えるのは、私だけでしょうか。