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 東京・豊洲市場で問題になっている「盛り土」の読みは、「もりつち」なのか「もりど」なのか。
 広辞苑には「もりつち」としか載っていませんし、小池都知事も当初は「もりつち」と読んでいました。
 普通、熟語は音読みか訓読みのどちらかを重ねて読むので、この場合も訓訓読みで「もりつち」と読むのが一般的なのでしょう。
 しかし、建設業界では「切り土(きりど)」「盛り土(もりど)」といった言葉が日常的に使われているそうで、一般人から見たら業界用語、専門用語ということになるのでしょうが、業界の人はどうしても慣れ親しんだ言葉を使ってしまうので、そのほうが話が通じ易かったのだと考えられます。
 お米の業界でも、米を入れる紙袋は「かみぶくろ」とは読まず「かみたい」と読みます。少なくとも35年前から、玄米の包装容器は「麻袋(またい)」「P袋(ぴーたい)」「紙袋(かみたい)」等でした。
 米穀以外のものをいれるのは「紙袋(かみぶくろ)」でいいのですが、米や麦・大豆の紙製の入れ物は「紙袋(かみたい)」でないとどうもいけません。
 お客さんと話をしていて「お米を容れる紙袋(かみぶくろ)」とか、「米用の紙袋(かんぷくろ)」といった言葉が使われると違和感を感じてしまいます。
 ということは逆に、私が何の躊躇もなく「紙袋(かみたい)」と使ったときは、お客さんのほうが違和感を感じているのかなァなどと、あらためて考えてみた次第でした。
 ちなみに、ワープロ等に「かみたい」と入力しても、「紙袋」とはなかなか漢字変換してくれません。「かみ」「紙」「たい」「袋」としつこく入力していると、その内には学習してくれるみたいですが。
 そういえば肥料でも、元肥を「もとひ」追肥を「ついひ」と読みますが、これって業界用語なのでしょうか。
 稲作の現場では、追肥や実肥という言葉そのものが聞かれなくなっていますので、益々専門用語化していくかもしれません。