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 熊本地震の、現地レポートのようなことを書いてみます。まだ行動範囲が狭く、情報不足とのお叱りを受けるかもしれませんがよろしくご理解下さい。
 添付した地図の赤い点々が、4月14日から23日までの震源分布です。私の住宅兼店舗は、○印の所にあります。
 14日夜の地震、それを上回る16日未明の本震。以来、日に何度も揺れを感じる毎日、その内の数回は建物から飛び出さないと危険ではないかと思ってしまうような震度3とか4とかです。そんな日々が、2週間を過ぎても続いています。
 私は肥料商の傍ら米麦の集荷を生業としていますが、その米倉庫が16日の本震で半壊状態になってしまいました。まずは庫内でめちゃめちゃに荷崩れした肥料や米、水稲種子等を、余震がくる度に外に逃れながら、少しずつ外に運び出すのが日課みたいなものでした。
 そして昨日一昨日と、当方に米を出荷してもらう農家に、水稲種子を配布して廻りました。各農家の被災状況を知りたかったからです。
 通る道すがら、そして農家の庭先で目の当たりにしたのは、多くの半壊した家屋や納屋でした。古い造りのものは傍目からでも、比較的新しいものでもよく見ると壊れています。
 そして、場所によっては、農道や水路にも亀裂が入っています。田植えの水が確保できれるか、ちょっと心配です。
 いつもの配達の時なら仕事で不在のお宅が多いのですが、今回は片付けの最中で、少なからず話を聞くことが出来ました。地震への恐怖と、一日も早く取り戻したい日常への渇望が見て取れました。
 母屋が全壊した方と納屋が全壊した方の内のお一人が、本年の水稲作付を断念されました。しかし、それ以外の方は、被害の大小に関わらず作付に前向きでした。心強い限りです。農家同士で作付を分け合ったり譲り合ったりとか、そのような調整をされているような集落もありました。
 農家もそうですが、今までの設備を維持できていたから営業出来ていた事業主にとって、破壊された設備を修復する費用をどう捻出するかを考えると、廃業という考えが浮かぶのは仕方のないことかもしれません。一時的に融資が受けられたとしても、その返済が経営を苦しくするのは間違いないからです。
 今回の地震で、農家の納屋が多く潰れています。そこに置いていた農業機械やトラックが壊れてしまったというところもあります。
 今は、住む家の確保が一番ということで行政が動いていますが、仕事をする為の建物や設備・道具を確保できる方法はまだ何も考えられていないようです。
 私を含め被災した肥料商そして農家が、今まで通りの仕事ができるようになるのは、まだまだ先になるような気がします。