NANA色の風~九州から(管理人のひとりごと)

全肥商連九州のホームページ管理人が、日々徒然なるままに感じたことを書いています。掲示板の閉鎖に伴い、そのタイトル「NANA色の風~九州から」をこちらで使用することにしました。

2015年04月

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 水稲の基準収量が、実際よりも多すぎる。そんな声が、加工米の出荷を募る際など必ず生産者から発せられます。
 生産者が出荷するコメは1.8整幣紊里佞襪ぬ椶覗別されていまが、基準収量は1.7世里佞襪ぬ椶覗別されたものを量って決めていますので、差が生じて当たり前です。
 今年3月、農林水産省大臣官房統計部から『「水稲収穫量調査の課題と今後の方向について」の取りまとめ』という文書が出されました。上記のような声について、「水稲の作柄に関する委員会」で検討し今後の見直し方向を取りまとめものです。

 結果、次のような主な見直しが示されました。
 ○加工用米等については、現行どおり1.70世魴兮海垢襦
 ○1.70世任亮?未蓮現行算定方法(スプライン関数使用)により算定する。
 ○主食用米については、従来どおりの1.70世鵬辰┐董∈酳舛鯢修杭邏兄愎瑤了蚕个蓮農業地域ごとに、過去5か年間に農家等が実際に使用したふるい目幅の分布において、大きいものから数えて9割を占めるまでの目幅(九州は1.80澄砲鮖藩僂垢襦
 ○その場合、1.70隻?濃残蠅気譴深?未1.80澄紛綵)のふるい目幅の重量割合(直近7か年中5か年の平均値)を乗じて算出する。
 ○平成33年以降は、1.80澄紛綵)もスプライン関数に基づいて算定する。

 なお、見直し点はこれだけではありませんので、詳しくは元の文書を是非お読み下さい。1.70整幣紊離灰瓩主食用として流通している現状を示した上で、生産者のマイナス感に配慮したような形になっています。
 もしどこかの店頭に激安のコメが並んでいたら、その粒を目を凝らしてよく見てみて下さい。生産者が1.80世覗別して出荷しているのに、1.70整幣紊麓膺用として計算しなければならないということがよく分かると思います。

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 水田の転作に、飼料用米が勧められています。先日示された「新たな食料・農業・農村基本計画」(案)でも、110万(平成37年)という生産努力目標が掲げられています。25年の実績が11万鼎任垢ら、その10倍に増やそうという目標です。

 毎年飼料用として1千万鼎魃曚┐襯肇Ε皀蹈灰靴輸入されているのだから、その約1割をコメに置き換えても構わないだろうということでしょう。

 飼料用米の価格は飼料用輸入トウモロコシに見合う金額ということになるので、生産者へはコメを安く売り渡す代わりに10禿?燭5万5千円~10万5千円の交付金を支払うことになります。

 そのような状況の下で、『農業経営者』編集長の昆氏は、水田にコメを植えてトウモロコシに置き換えるのでなく、水田に直接トウモロコシを植えてはどうかと提案されています。

 水田での子実トウモロコシ生産については、『農業経営者』誌上でその特集を組んだり、生産現場での現地検討会をも開催されています。

 さらに同誌今月号には、叶芳和教授(日本経済大学大学院)による飼料用米とトウモロコシとの財政負担比較に関する試算を掲載されています。

 記事によると、飼料米で自給率を1%向上させる為には、4,210億円~4,920億円の財政負担が必要だそうです。今回45%と自給率目標が低く設定され直されましたが、それでも約2兆~2兆5千億円が必要になるという計算です。この数字は、現在の農業予算のほぼ倍です。

 それに対して、水田転作で子実トウモロコシを作るなら、1%の向上に必要な財政負担は1,030億円。飼料米の1/4~1/5で済むそうです。

 小さな交付金額で食糧自給率を向上させる、そんな逞しい日本農業を目指すべきと昆氏は訴えます。さらには、それを誇りある農業者と民間事業者の健康な欲と夢で実現しましょうと。

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