facebookを眺めていたら、あるブログ記事をシェアしている人がいました。「カムの心身一如」というブログの『化学調味料の危険度は半端なかったのだよ!【味の素(グルタミン酸ナトリウム)の恐怖】』(2014年01月28日)という記事です。
冒頭に「グルタミン酸ナトリウムの危険性後編~あなたの脳の最大の敵」というYouTube動画を貼付した記事は、味の素など化学調味料の主成分であるグルタミン酸ソーダ(MSG)の毒性、有害性を指摘する学術論文が諸外国に多いと云い、ワシントン大学オルニー博士の実験を紹介します。
そして、グルタミン酸を主成分とする化学調味料が中華料理店で多く使用され、吐きけ、めまい、頭痛、自暴自棄などの症状を起こす『チャイニーズレストラン症候群(中華料理症候群)』という病気があると。
しかし、wikipediaで「中華料理店症候群」を検索すると、
「1960年代に中華料理を食べた少数のアメリカ人が食後に炎症を覚え、眠気、顔面の紅潮、掻痒感、頭痛、体の痺れそして軽度の背中の無感覚などの症状が見られた。これらの症状の大部分は悪化することはなく、しばらくすると消失するというものである」
と説明されてあり、はっきりと
「俗にはグルタミン酸ナトリウム(MSG)が原因とされるが、一連の短期薬理試験の結果からはMSGとは関連は否定されている」
と書かれています。さらには
「MSGは調味料として(中略)使いつづけられているが、1970年以降には中華料理店症候群の報告はほとんど見られなくなった。今日では多くの研究によるとMSGと中華料理店症候群とには関連がないとされる。」
との記述もありました。
ひとの不安を煽るだけの、古い間違った情報を流すブロガーがいて、それをシェアして不安を拡散させる人が出てくる。何故なのでしょうか。
実は、「FOOCOM」(科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体)の古い記事(2008/5/21)に『グルタミン酸はやっぱり頭を良くする?』という長村教授(鈴鹿医療科学大)の話が載っています。
2008年日本栄養・食糧学会大会での山本茂教授(お茶の水女子大)の以下のような発表を紹介してあります。
山本教授は、高齢者は食思、および摂食量の低下が原因となって栄養状態が悪化、結果としてたんぱく栄養改善療法の適用を受けるケースが多いが、治療対象者の病院における病院食のグルタミン酸濃度が、通常の半分程度であるとの調査結果を明らかにされました。
その不足したグルタミン酸を、食事に添加する形で高齢者の入院患者に投与すると、血液検査では血中リンパ球の増加、血清亜鉛値の上昇が有意位に認められ、画像による主観的評価では、認知スコア、食行動、意欲の表現、言葉による意思疎通の向上が確認されたそうです。
ビデオ画像でも、生気のないお年寄りが、添加食を60日間食べた後に、生き生きとした表情に変化していったとも。
1960年には、脳内神経伝達物質としてのグルタミン酸の重要性が分かりやすく書かれた「頭の良くなる本」がベストセラーになったとも書かれていました。
商売として「安心・安全」を売るために不安を煽る、そんな世の中になってきているような気がするのは私だけでしょうか。
冒頭に「グルタミン酸ナトリウムの危険性後編~あなたの脳の最大の敵」というYouTube動画を貼付した記事は、味の素など化学調味料の主成分であるグルタミン酸ソーダ(MSG)の毒性、有害性を指摘する学術論文が諸外国に多いと云い、ワシントン大学オルニー博士の実験を紹介します。
そして、グルタミン酸を主成分とする化学調味料が中華料理店で多く使用され、吐きけ、めまい、頭痛、自暴自棄などの症状を起こす『チャイニーズレストラン症候群(中華料理症候群)』という病気があると。
しかし、wikipediaで「中華料理店症候群」を検索すると、
「1960年代に中華料理を食べた少数のアメリカ人が食後に炎症を覚え、眠気、顔面の紅潮、掻痒感、頭痛、体の痺れそして軽度の背中の無感覚などの症状が見られた。これらの症状の大部分は悪化することはなく、しばらくすると消失するというものである」
と説明されてあり、はっきりと
「俗にはグルタミン酸ナトリウム(MSG)が原因とされるが、一連の短期薬理試験の結果からはMSGとは関連は否定されている」
と書かれています。さらには
「MSGは調味料として(中略)使いつづけられているが、1970年以降には中華料理店症候群の報告はほとんど見られなくなった。今日では多くの研究によるとMSGと中華料理店症候群とには関連がないとされる。」
との記述もありました。
ひとの不安を煽るだけの、古い間違った情報を流すブロガーがいて、それをシェアして不安を拡散させる人が出てくる。何故なのでしょうか。
実は、「FOOCOM」(科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体)の古い記事(2008/5/21)に『グルタミン酸はやっぱり頭を良くする?』という長村教授(鈴鹿医療科学大)の話が載っています。
2008年日本栄養・食糧学会大会での山本茂教授(お茶の水女子大)の以下のような発表を紹介してあります。
山本教授は、高齢者は食思、および摂食量の低下が原因となって栄養状態が悪化、結果としてたんぱく栄養改善療法の適用を受けるケースが多いが、治療対象者の病院における病院食のグルタミン酸濃度が、通常の半分程度であるとの調査結果を明らかにされました。
その不足したグルタミン酸を、食事に添加する形で高齢者の入院患者に投与すると、血液検査では血中リンパ球の増加、血清亜鉛値の上昇が有意位に認められ、画像による主観的評価では、認知スコア、食行動、意欲の表現、言葉による意思疎通の向上が確認されたそうです。
ビデオ画像でも、生気のないお年寄りが、添加食を60日間食べた後に、生き生きとした表情に変化していったとも。
1960年には、脳内神経伝達物質としてのグルタミン酸の重要性が分かりやすく書かれた「頭の良くなる本」がベストセラーになったとも書かれていました。
商売として「安心・安全」を売るために不安を煽る、そんな世の中になってきているような気がするのは私だけでしょうか。